語源
北広島町は、2005年(平成17年)2月1日に山県郡の芸北町・大朝町・千代田町・豊平町の4町が合併して誕生した、比較的新しい自治体名です。
町名は、県名である「広島」に、県の北西部に位置することを示す「北」を冠したものです。合併前の旧町名のいずれかを引き継ぐのではなく、県内での位置関係を端的に表す新しい名称が選ばれた点に特徴があります。中国山地に抱かれ、北は島根県、南は広島市に接するという地理的な位置づけが、そのまま町名に反映された形といえます。
なお、北海道にも同名の北広島市が存在しますが、こちらは広島県からの移住者が開拓した土地に「広島」と名づけたことに由来するもので、成り立ちはまったく異なります。広島県の北広島町は移住・開拓とは無関係で、県内の方角に基づく命名です。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 昭和 | 芸北町・大朝町・千代田町・豊平町 | 山県郡内の4町。それぞれ独立した自治体だった |
| 平成 | 北広島町 | 2005年2月1日、4町の合併により発足。役場は旧千代田町役場に置かれた |
旧町名のうち「芸北」は安芸国の北部を意味し、「大朝」は中世に開かれ毛利一族ゆかりの地として知られました。「千代田」の中心地である有田は、安芸と石見を結ぶ街道の宿場町として発展した歴史を持ちます。
地名の特徴
北広島町は面積646.20平方キロメートルを有し、町としては中国地方で最大の広さを誇ります。町域の8割以上が森林で、北西部の旧芸北地域には島根県境に沿って1,000メートル級の山々が連なり、南東部は標高200メートル前後の盆地状の地形が広がります。太田川と江の川という2つの水系の上流域にあたる水源の町でもあります。
「北広島」という地名は、旧国名や自然地形ではなく、都道府県名と方角を組み合わせた近代的・行政的な命名です。同様の例として、県名や旧国名に方角を冠した平成の大合併期の自治体名が全国に見られます。
特産・名物
北広島町は中国山地の冷涼な気候と豊かな水を活かした農産物が知られています。
- 米:太田川・江の川の源流域という水環境と、盆地特有の昼夜の寒暖差を活かした米づくりが盛んです。
- ゆず:町を代表する果樹のひとつで、加工品としても親しまれています。
- 野菜・農産加工品:標高差のある地形を活かした高冷地野菜や、それらを用いた加工品が生産されています。
- 地酒:「八重の露」「老亀」など、地元の米と水で仕込まれた銘柄が伝わります。
また、町には約70もの芸北神楽の団体が伝承活動を続けており、戦国期の吉川氏ゆかりの史跡や、国定公園に含まれる八幡湿原など、文化・自然の見どころも豊富です。