語源
呉市(くれし)の地名は、造船に使う榑木に由来するという説が有力です。榑は切り出したままの板材・材木を指し、呉の港町としての性格や、木材を集積・加工した場所であったことと結びつけて説明されます。
一方で、呉一帯を囲む九つの峰を九嶺と呼び、それが訛って「くれ」になったとする説もあります。ほかに、渡来人に由来する説や、低湿地・崩壊地形に関する説も伝えられていますが、現在は榑木由来説が比較的よく紹介されています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 江戸 | 呉浦 | 1686年に安芸郡宮原村の呉浦を呉町と呼ぶようになったとされる |
| 明治 | 呉港 | 海軍区鎮守府の位置が設定され、軍港として発展 |
| 明治 | 呉市 | 1902年に市制施行 |
地名の特徴
呉市は瀬戸内海に面した天然の良港として発展し、造船・海軍と深く結びついてきました。そのため、地名由来としても「榑(くれ)」のような木材・造船関連の語が注目されやすい地域です。
また、九つの峰に囲まれた地形を背景にした「九嶺」説もあり、山と海に挟まれた呉らしい地形的特徴が地名解釈に反映されています。