語源
桐生市の地名由来には、主に「桐が多く自生する土地」から来たとする説と、「霧が多く発生する土地」から来たとする説があります。いずれも広く知られていますが、決定的な根拠はなく、定説とはいえません。
Wikipedia では、日本各地に見られる「桐」や「切」の字を含む地名は中世に成立したものが多く、河岸の台地や山峡のような地形、あるいは山城・館址を伴う例が多いとされています。桐生も、山間部から平野へ移る狭い土地を指す地名として理解されており、現在の梅田町一丁目から天神町三丁目あたりに相当する地域を指したと考えられています。
また、桐生市は古くから織物の町として知られ、「西の西陣・東の桐生」と並び称されてきました。これは地名そのものの由来ではありませんが、地域の歴史的な性格をよく示しています。
歴史的変遷
| 時代 | 呼称 | 備考 |
|---|---|---|
| 奈良 | 桐生周辺 | 織物生産が行われていたとされる |
| 中世 | 桐生 | 山間の要害地・開墾地として成立した可能性 |
| 江戸 | 桐生 | 織物産地として発展 |
| 明治 | 桐生町 | 町制期の呼称 |
| 大正 | 桐生市 | 1921年に市制施行 |
地名の特徴
桐生の地名は、地形と歴史の両面から説明されることが多いのが特徴です。山地と平野の境目に位置し、渡良瀬川流域の地形を背景に発展してきたことから、狭い谷筋や台地を示す地名として理解する見方があります。
一方で、桐生は古くから織物産業で栄えたため、地名の印象も「機どころ」「織都」といった産業都市のイメージと強く結びついています。周辺には同じく織物や工業で知られる地域もあり、東毛地方の歴史的な産業集積を考えるうえでも重要な地名です。